眼の病気について

緑内障

病気の原因

 緑内障とは、「眼圧」(目の中の圧力)が上がって、「視神経」(眼底で見たことの情報を脳に送る神経)のはたらきが低下する病気です。一般的には、眼圧が21mmHg(21ミリメートル水銀柱)以上の時に、視神経のはたらきが低下しますが、「正常眼圧緑内障」といって、眼圧が20mmHg以下でも視神経のはたらきが低下する事もあります。

緑内障になった原因から、

  • (1) 原発性緑内障(はっきりした原因は不明ですが、生まれながらに緑内障になる要素を持っているのではないか、と考えられています)
  • (2) 続発性緑内障(ステロイドの使用、緑内障以外の目の病気、けが等の原因で起こる緑内障)
  • (3) 先天緑内障(生まれてから1年以内に発病する緑内障)

などに分類されています。

→緑内障のOCT画像はこちら

  • 中程度の視野欠損
    右目の鼻側1/4の視野が欠けています。

  • 高度の視野欠損
    中心部の一部と耳側の一部の視野を除いて殆どの視野が消失しています。

手術の必要性・放置した場合の可能性

 緑内障の治療は、まず、点眼薬、内服薬(飲み薬)を使った治療を行います。このような治療を行っていても、視神経のはたらきが低下して、「視野」(目を動かさないでも見える範囲)が狭くなるようならば、手術が必要となります。

手術手技

 目の中の水は、おもに毛様体で作られて、「後房」に出ます。後房に出た水は「瞳孔」(ひとみ)を通って前房にまわり、「隅角」にあるシュレム管を通って目の外に出ます。

緑内障に対する手術は、眼圧を下げる手術ですが、目の中の状態によっていくつかの方法の中から、効果的と考えられる方法で手術を行います。

  • (1) 前房と後房の間で、水の流れがとまり、虹彩(ちゃめ)がシュレム管をふさいでいるとき
    虹彩の一部に小さな穴を開け、水の流れを改善します。

  • (2) 前房からシュレム管への水の流れが悪いとき
    シュレム管の一部を切開して、水の流れを改善します。

  • (3) 後房から前房を通って目の外に流れる水の流れが悪いとき
    後房→前房→目の外に水が流れるように、新しい通路を作ります。

  • (4) 毛様体破壊手術
    今まで説明したような薬による治療、手術による治療を行っても効果が出ないような、治りにくい緑内障に対する治療法です。

    この治療は、冷凍凝固、または、レーザー凝固で、目の中の水を作っている毛様体のはたらきを低下させる方法です。

  • (5) 白内障が原因の場合
    白内障のために水晶体が大きくなって、目の中の水の流れが悪くなることがあります。この場合は、白内障の手術を行います。

  • (6) 眼底の病気の場合
    糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症などでは、眼底の血液の流れが悪いために、虹彩(ちゃめ)の血管が腫れて「血管新生緑内障」という特殊な緑内障が起こることがあります。

    この場合は、網膜レーザー凝固を行い、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症など、もとの疾患に対する治療を行います。